雨が降らないと、私たちの暮らしはどうなる?西日本の水不足と「取水制限」を調べてみた

暮らし

今年の夏、ニュースを見ていて気になったことがあります。

「西日本で水不足が深刻になっている」

「取水制限が行われている」

そんなニュースを目にすることが増えました。

雨が少ないな、とは感じていましたが、改めて考えてみると、水不足になったとき、私たちの暮らしはいったいどうなるのでしょう。

「取水制限20%」と聞いたとき、私は最初、

「ダムから取る水を、1日あたり20%減らすということなのかな?」

と思いました。

でも、調べてみると、もう少し複雑です。

そして、水不足には「取水制限」だけでなく、「送水制限」「給水制限」という段階があることも知りました。

今回は、西日本の水不足をきっかけに、水が私たちのところへ届くまでに、どんな調整が行われているのかを調べてみました。

西日本で続く水不足

2026年の夏、西日本では少雨による水不足が問題になっています。

高知県の早明浦ダムでは、8月末に貯水率が大きく低下し、香川用水への供給量を60%削減する第4次取水制限が始まりました。

取水制限は、なんと18年ぶりです。

水不足は、単に「ダムの水が少ない」というだけではありません。

水道、農業、工業など、さまざまなところで水を必要としています。

限られた水を、どう使っていくのか。

それが渇水のときに大きな問題になります。

「取水制限20%」って、どういう意味?

ここは、私が一番勘違いしていたところです。

取水制限とは、簡単にいうと、

川やダムなどから取る水の量を制限すること。

たとえば「取水制限20%」なら、通常の取水量から20%減らします。

つまり、「家庭で使う水を20%減らしてください」という意味ではありません。

水道事業者などが水源から取る水の量を減らすことで、限られた水をできるだけ長く使えるようにするのです。

では、取水する水を減らしたら、私たちの蛇口から出る水もすぐに20%減ってしまうのでしょうか。

そうではありません。

水不足への対応には、いくつかの段階があります。

「取水制限」と「給水制限」は違う

調べてみて、私が特に分かりやすいと思ったのが、この違いです。

取水制限

水源から取る水を減らすこと。

ダムや川から取水する段階で水の量を調整します。

給水制限

水道を利用する人に届ける水を制限すること。

給水制限まで進むと、私たちの生活に直接影響が出てきます。

たとえば、

  • 水圧を下げる「減圧給水」
  • 一定時間、水を止める「時間断水」
  • 地域によって断水する

などです。

国土交通省も、給水制限の影響として「減水」や「断水」を挙げています。

つまり、

取水制限 → すぐ断水

というわけではありません。

水不足が深刻になっていくにつれて、段階的に対策が強くなっていくのです。

では、企業にはどんな影響がある?

水は、私たちが飲んだり、お風呂に使ったりするだけではありません。

企業にとっても、とても重要な資源です。

たとえば飲食店なら、

  • 調理
  • 食器洗い
  • 店内清掃
  • トイレ

などに水を使います。

ホテルなら、

  • 客室のシャワー
  • 浴室
  • 洗濯
  • 清掃

など、大量の水が必要です。

工場では、製造工程や洗浄、冷却などに水を使う場合があります。

実際に2026年の水不足では、香川県のうどん店が水の使用量を減らす工夫をして営業を続けていることも報じられていました。

「水がなくなれば、仕事にならない」

水不足は、生活だけでなく、企業活動にも影響するのだと改めて感じました。

農業はどうなるの?

ここも気になったところです。

「取水制限をすれば、水が温存されるのだから、農業も助かるのでは?」

最初はそう思いました。

でも、実際にはそんな単純な話ではありません。

農業も、大量の水を必要とします。

特に稲作では、田んぼに水を入れる必要があります。

そのため、水不足が深刻になると、農業用水そのものが取水制限の対象になることがあります。

2026年8月には、香川用水への供給量を60%削減する第4次取水制限が行われました。香川用水は水道だけでなく農業にも使われているため、農業にも影響が及びます。

つまり、取水制限は、

「農業を助けるために水を減らす」

というものではありません。

限られた水をできるだけ長く使うために、水道、農業、工業など、それぞれの水の利用を調整するものです。

そして、水不足が長引けば、農作物の生育や収穫にも影響する可能性があります。

過去の大規模な渇水では、農作物にも大きな被害が出ています。

取水制限になる基準はあるの?

ここも疑問でした。

「ダムの貯水率が50%になったら取水制限」

のように、全国共通の単純な基準があるのでしょうか。

調べてみると、そうではありません。

水不足の状況を判断するために、

  • ダムの貯水量
  • 河川の流量
  • 降雨量
  • 今後の雨の予測
  • 水の使用量
  • 今後必要になる水の量

など、さまざまなことが考慮されます。

そして、関係する機関や水を利用する人たちが調整しながら、取水制限の時期や制限率などを決めていきます。

国土交通省の資料でも、ダムの貯水量や河川の状況などを見ながら、どのタイミングでどの程度の取水制限を行うかを検討し、社会への影響も含めて総合的に判断するとされています。

つまり、

「貯水率○%になったら自動的に取水制限」

という単純な仕組みではないのです。

水の需要と供給、そして今後の見通しを考えながら、人が調整している。

そう考えると、取水制限というのは、単純に「水を減らす」という話ではなく、限られた水をどう配分するかという問題なのだと分かります。

水不足がさらに進むと、どうなる?

イメージすると、こんな流れです。

雨が少ない

 ↓

ダムや河川の水が減る

 ↓

このままでは水が足りなくなると判断

 ↓

取水制限

 ↓

節水の呼びかけ

 ↓

さらに水不足が進む

 ↓

送水量を減らす

 ↓

給水制限

 ↓

減圧給水・時間断水など

もちろん、実際の対応は地域や水系によって異なります。

でも、「取水制限」と「断水」の間には、いくつかの段階があることが分かります。

私たちの暮らしにもできることがある

取水制限が行われているからといって、すぐに家庭の水道が使えなくなるわけではありません。

でも、一人ひとりが少しずつ水を大切に使えば、水源の水を長く温存することにつながります。

たとえば、

  • 歯磨き中は水を出しっぱなしにしない
  • 食器を洗うときは、ため洗いをする
  • お風呂の残り湯を洗濯などに利用する
  • 洗車や散水の水をできるだけ減らす
  • 水を必要以上に流さない

など。

どれも特別なことではありません。

普段からできることばかりです。

「蛇口をひねれば水が出る」を当たり前だと思っていた

今回、水不足について調べてみて、一番感じたのは、

水道の蛇口をひねれば水が出ることは、当たり前ではないのかもしれない

ということでした。

雨が降る。

川に水が流れる。

ダムに水がたまる。

そこから必要な水が取られ、浄水場できれいにされ、私たちの家まで届けられる。

普段は、その仕組みを意識することはほとんどありません。

でも、雨が降らない日が続けば、その当たり前が少しずつ揺らいでいきます。

今年、西日本では実際に取水制限が行われ、農業や企業活動への影響も心配されています。

水不足は、遠い場所で起きているニュースではなく、私たちの暮らしとつながっている問題なのだと思いました。

これから雨が降って、ダムの水が増えてくれれば安心です。

でも、「雨が降ったから大丈夫」と終わらせるのではなく、

水は限りある資源。

そう意識して、普段の生活でも大切に使っていきたいと思います。

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